ライブ・イベント協賛を単発の広告で終わらせない!長期活用できる自社コンテンツの作り方

音楽ライブ協賛やイベント協賛は、その場の盛り上がりだけで終わってしまうと感じている方も多いのではないでしょうか。ここでは、協賛で得られる映像やUGCを長期活用できる自社広告コンテンツに変える設計方法と、二次利用の具体的な手順を解説します。

なぜライブ協賛の効果は一過性で終わってしまうのか

音楽ライブ協賛・イベント協賛の効果が長続きしない理由は複数考えられますが、考えられるもののなかに「協賛の効果を継続させるための視点が足りない」ことに加え「予算をかけすぎることで広報の継続で難しくなってしまう」ものが挙げられます。具体的には、下記のとおりです。

協賛そのものが単発イベントとしての企画・実施で終わってしまう

多くの場合、協賛は「その公演に参加すること」自体が目的化してしまい、開催後の活用計画までは十分に検討されないまま進んでしまいます。会場でのロゴ掲出やブース出展といった当日の露出にリソースが集中し、映像やUGCといった素材をどう使い続けるかという視点が後回しになりがちです。

結果として、公演が終わった時点で協賛にまつわる企業の情報発信も一区切りとなり、そこから先の広告展開につながりにくくなってしまいます。

施策の実行毎に制作費がかかるため試行錯誤ができない

マーケティング施策を実行する際、画像・動画・ウェブサイト・広告などを毎回新規で作っていると、そのぶん支出がかさみます。効果や経営状況によっては、承認される予算が小さくなり、挑戦と試行錯誤の余地がなくなります。

音楽ライブやイベント協賛であれば、予算が削減されることで協賛をからめたマーケティング施策の継続が難しくなり、そのあいだに来場者の記憶が薄れ、結果として「協賛の効果が日ごとに薄れてしまう」といった状況に陥ります。

協賛マーケティングでは長期にわたって効果的に活用する「広告資産」を創出する

音楽ライブやイベントの協賛は、協賛金をはじめとする多額の予算を必要とします。効果を長期的に得るため、また予算内で継続して施策を実行するため「広告資産」の創出を視野に入れましょう。

広告資産とは

広告資産とは、一度の制作や実施で終わらず、その後も繰り返し活用できる広告コンテンツやその素材のことを指します。テレビCMやWeb広告のように公開すれば役目を終える単発の施策とは異なり、映像やデータ、ユーザーの声といった素材そのものに価値があり、編集や転用を重ねることで長期にわたって広告効果を生み出し続けられる点が特徴です。

ライブ・イベント協賛においても、この考え方は当てはまります。会場で撮影した映像や、来場者が投稿したSNSの写真・動画は、当日限りの記録として扱われがちですが、権利処理や編集方針を工夫することで、タイアップクリエイティブやオウンドメディアの記事など複数の形に姿を変えながら活用し続けられます。

協賛にかけた予算を単発の露出で終わらせず、そこから生まれる素材を資産として積み重ねていく発想こそが、長期的な広告効果につながります。

ライブ・イベント協賛における広告資産の創出方法

協賛から広告資産を生み出す方法として考えられるのは、得られた公式の素材や、来場者が創出したコンテンツの活用です。

具体的には、次のようなものが挙げられます。

  • アーカイブ映像を二次利用する
  • UGCをブランド資産として蓄積・活用する
  • PR素材をオウンドメディア運用に組み込む

資産になる・長期活用できる広告の条件

音楽ライブやイベントへの協賛によって「広告資産」を生み出すには、権利処理・汎用性・品質の3つの条件を満たさなくてはなりません。具体的には、次のとおりです。

権利処理が完了しており、二次利用ができること

素材を長期的に活用するうえで、まず土台となるのが権利処理です。アーティスト・イベントの公式素材を用いる場合は、当初合意した目的・媒体とは別の用途で再利用してよいかどうかも含めて確認しておくことが、掲載する広告を長期活用するときのポイントです。

来場者が取得したデータを二次活用する場合も同様に、本人から事前に許諾を得ておくことが欠かせません。良い写真や動画だからといって無断で企業の広告や公式サイトに転用してしまうと、投稿者との間でトラブルに発展する可能性があります。

特定のイベント色が薄く、複数の媒体・文脈で使い回せること

長期活用できる広告資産には、特定のイベントに強く紐づきすぎていないという特徴もあります。

単発の協賛で得た素材は、そのライブや会場に固有の演出や装飾が前面に出てしまうことが多く、時間が経つと使いにくくなる傾向があります。一方で、複数公演にわたる全国ツアー帯同型の協賛であれば、同じブランドメッセージを繰り返し発信できるため、素材が特定の1回のイベントに依存しにくくなり、ブランド浸透を継続的に図りやすくなります。

国内向けと海外向けなど、訴求対象が異なる場面でも同じ考え方が当てはまります。ターゲットごとに表現や言語を切り替えたとしても、根底にあるブランドメッセージ、いわゆるコアメッセージを一貫させておくことで、素材を作り直すことなく展開先を広げやすくなります。

上記のような設計を意識しておくと、SNS広告や記事コンテンツ、オウンドメディアなど複数のチャネルへ素材を転用しやすくなり、1つの協賛から生まれるコンテンツの活用範囲が広がっていきます。

撮影・編集の質が高く、時間が経っても劣化しない完成度であること

最後に欠かせないのが、素材そのものの完成度です。撮影や編集の質が低いと、公開直後の目新しさが失われた途端に使いづらくなってしまいます。

撮影から編集、公開までのスピードも完成度を左右する要素の一つです。あらかじめ編集テンプレートを用意し、撮影後すぐに一定の品質で仕上げられる体制を整えておくことで、素材ごとの品質のばらつきを抑えられます。こうした条件を満たした素材は、公開から時間が経過しても劣化しにくく、後から見返しても違和感のない広告資産として長く活用できるようになります。

アーカイブ映像を二次利用してタイアップクリエイティブに変える方法

ライブ会場で撮影したアーカイブ映像は、そのまま記録として保存するだけでなく、編集の仕方しだいで広告資産に変えることができます。ここでは、映像を二次利用する際の具体的な手順を見ていきます。

映像利用の権利処理をどう進めるか

映像を二次利用するにあたって最初に整えておくべきなのが、権利処理の枠組みです。撮影を依頼する制作会社やアーティスト事務所との契約時には、どの媒体で、どのくらいの期間、どの地域まで映像を使用できるのかをあらかじめ明記しておく必要があります。

出演者本人だけでなく、観客席が映り込む映像を扱う場合には、肖像権の処理も欠かせない検討事項になります。観客の顔がはっきりと映っている場面を広告として使う場合には、本人の同意が得られているかどうかが公開の判断基準になります。

もし権利処理が完全には整わなかった場合でも、顔の部分にモザイク処理を施したり、使用する媒体や期間を限定したりするなど、状況に応じた代替案を取ることで公開の道を残せます。

複数媒体・複数文脈で使い回せる映像の作り方

権利処理が整った映像であっても、特定のイベントに強く紐づいた作りになっていると、時間が経つにつれて使いにくくなっていきます。そのため編集の段階から、その場限りの演出やロゴを目立たせすぎず、伝えたいブランドメッセージを軸に構成しておくことが望ましいでしょう。

また、1回の撮影で得られた映像素材は、長尺版、ダイジェスト版、ショート版といった複数のフォーマットに分けて仕上げておくと、後からの使い回しがしやすくなります。あわせて、SNS広告、タイアップ記事、自社サイトといった転用先ごとに求められる尺やアスペクト比が異なる点にも配慮が必要です。

高品質かつ時間が経っても劣化しない映像に仕上げるためのポイント

編集の完成度は、映像を長く使い続けられるかどうかを左右する要素になります。ダイジェスト動画であれば、1分から2分程度の尺にまとめ、当日会場に来られなかった人にもライブの雰囲気や体験の価値が伝わるように構成することが基本になります。企業のロゴやメッセージを組み込む際は、映像全体の世界観を損なわない程度に自然に配置することで、宣伝色が強すぎない仕上がりに近づきます。

こうした編集をイベントごとに一から作り上げるのは時間もかかるため、撮影から編集、公開までの流れをあらかじめテンプレート化しておくと効率的です。カット割りやテロップの入れ方など基本的な構成をパターン化しておけば、リードタイムを短縮しながらも一定の品質を保った映像を安定して仕上げられるようになります。

UGCをブランド資産として蓄積・活用する仕組み

来場者が自発的にSNSへ投稿する写真や動画、いわゆるUGCも、ライブ協賛から生まれる貴重な広告資産のひとつです。ここでは、ハッシュタグキャンペーンによる収集の仕組み化と、収集したUGCを二次利用するための同意規程・許諾フローの整備について見ていきます。

UGCの二次利用における権利処理と許諾フロー

UGCを企業の広告やオウンドメディアで活用するためには、投稿者本人から二次利用の同意を得ておくことが前提になります。良い写真や動画を見つけたからといって無断で転用すると、投稿者との間でトラブルになる可能性があります。そのため、キャンペーンの参加条件の中に二次利用への同意事項を組み込んでおくなど、あらかじめ許諾フローを設計しておくことが望ましいでしょう。

投稿を二次利用する際には、表記のルールにも注意が必要です。企業が対価や特典を提供して投稿を促した場合、その投稿を広告として扱う際には「PR」や「広告」といった表記を明示することが、ステルスマーケティング規制への対応として求められます。

また、著作権法上の観点で見ると、投稿者が明確に抗議していないからといって、それが二次利用への正式な許諾とみなされるわけではありません。黙認と許諾は法的に異なるものであるため、同意の有無をあいまいにせず、明文化された形で確認しておくことが安全な運用につながります。

質の高いUGCを継続的に集める仕組みづくり

UGCを一度きりの盛り上がりで終わらせず継続的に集めていくには、ハッシュタグキャンペーンの設計が土台になります。決まったハッシュタグを使って投稿してもらうことで、SNS上のタイムラインで企業と来場者の投稿がつながり、ブランドとの接点が生まれやすくなります。

投稿内容の質を安定させるためには、撮影のポイントをまとめたガイドや、投稿しやすい文面のテンプレートを用意しておく方法も効果的です。こうした準備があることで、来場者も投稿の内容に迷わず、結果として企業側が活用しやすい写真や動画が集まりやすくなります。

集まったUGCはその都度使い切るのではなく、定期的に内容を選定してアーカイブ化しておくことで、必要なタイミングで取り出して活用できる体制を整えられます。

PR素材をオウンドメディア運用に組み込みコンテンツマーケティング化する方法

権利処理を済ませたアーカイブ映像やUGCは、ブログやnote、自社メディアの記事として発信することで検索流入の獲得にもつながります。協賛の実績を単発の報告に終わらせず、事例コンテンツとして継続的に発信していく仕組みについて見ていきます。

権利処理済み素材を記事コンテンツに落とし込む方法

記事の中に映像やUGCを埋め込む際には、あらためて利用範囲を確認しておくことが欠かせません。契約や許諾の段階で想定していた媒体に、オウンドメディアの記事も含まれているかどうかを事前にチェックしておくと安心です。

記事の構成を考える際には、協賛に至った目的や、そのアーティスト・イベントを選んだ理由、当日実際に実施した内容を順序立てて説明していくと、読者にとって分かりやすい流れになります。また、映像の提供元や投稿者の情報を出典として明記し、必要に応じてクレジット表記を添えておくことも、権利者や投稿者との関係を保つうえで大切な配慮です。

イベント色を薄めた事例コンテンツとしての記事化

記事を継続的な資産として育てていくには、1回のイベントの紹介にとどめない構成を意識する必要があります。協賛が決定した時点、開催前、そして終了後といった各フェーズに合わせてプレスリリースを段階的に配信しておくと、その後の記事化の際にも使える情報や素材が自然と積み重なっていきます。

記事の内容も、その公演だけの出来事として紹介するのではなく、

  • 企業がなぜ音楽ライブ・イベントへの協賛を続けているのか
  • どのような姿勢で取り組んでいるのかといった

上記の内容をブランド全体の文脈の中で語ることが望ましいでしょう。こうした視点を持って記事を作成しておくと、過去の協賛事例を一つのシリーズとしてオウンドメディア内にまとめやすくなり、読者が複数の記事を通じて企業の取り組みを理解できるようになります。

継続発信を支える記事の品質・運用サイクル

記事を単発で公開するだけでは、コンテンツマーケティングとしての効果は限られてしまいます。協賛後も蓄積した映像やUGCを見直し、時期を変えて再度記事化するなど、あらかじめ運用カレンダーを決めておくと発信を継続しやすくなります。

ライブ終了後には、来場者数やSNSでの反響、UGCの投稿数といった成果をできるだけ早くまとめて報告しておくことも重要です。早い段階で結果を整理しておけば、その後の記事作成にもそのまま活用できます。こうして蓄積されたPR素材は、次回の協賛先を選ぶ際の判断材料になったり、新しい商品開発のヒントになったりすることもあり、単なる広報素材を超えた資産として社内で活用できるようになっていきます。

まとめ

音楽ライブ協賛やイベント協賛は、当日の露出だけを目的にしてしまうと、公演が終わった時点で効果も一区切りとなり、それ以上の広がりを生みにくくなります。しかし、アーカイブ映像やUGCといった素材を権利処理・汎用性・品質の3つの条件を踏まえて設計しておけば、単発の広告費で終わらず、長期にわたって活用できるブランド資産へと育てていくことができます。

とはいえ、権利処理の確認や素材の編集体制づくりを自社だけで進めるのは負担が大きいと感じる担当者も少なくないでしょう。音楽ライブ協賛・イベント協賛を通じて長期活用できる広告資産づくりに取り組みたい場合は、企画から素材活用までを一貫して支援するライエル(LIYYELL)にご相談ください。