ライヴMCで企業メッセージを伝える!

ライヴMCで企業メッセージを伝える!成功事例で学ぶ「30秒アナウンス」の効果

音楽ライヴでのアーティストによるMCアナウンスは、長くても30秒ほどのメッセージのなかで「アーティストへの信頼」と「ライヴの高揚感」を伝えるものです。ここに協賛企業からのメッセージを載せることで、商品やサービス、会社のビジョンやポリシーなどが来場者の記憶に深く刻まれるでしょう。

ここでは、MCアナウンスを活用した協賛の効果から、業種別の台本設計、ほかの協賛メニューとの連動まで、LIVEマーケティングにおけるMCの活用方法を解説します。

ライヴ会場での「30秒MCアナウンス」とは

音楽ライヴの会場における「MCアナウンス」は、アーティストや司会者が開演前や曲間のアーティストによるMCタイム(マイクによる短いトークをするタイミング)に、協賛企業を紹介する広告手法です。

会場全体に響き渡る音声と、大型ビジョンに映し出される企業ロゴやメッセージによって、来場者全員に確実にリーチできる特性を持っています。

ライブMCアナウンスのイメージ

ライブ会場でのMCアナウンスは、開演前の期待感が高まるタイミングや、アーティストが登場する曲間のMCで実施されます。

会場に設置された大型ビジョンには企業ロゴや商品画像が映し出され、同時に会場全体を包み込む音響設備を通じて、アーティスト本人や専属の司会者が協賛企業のメッセージを伝えるしくみです。

ほかの協賛メニューとの違い

MCアナウンスは、LIVEマーケティングにおけるほかの協賛メニューとは異なる独自の強みを持っています。特徴を整理すると、次のとおりです。

  • リアルタイムで動的な伝達ができる
  • 来場者全員にリーチできる
  • 瞬時に大人数へ情報を届けられる

会場内の看板やバナーは来場者が意識的に目を向けなければ認識されず、会場内CMもビジョンで流れる映像として受動的に視聴されるに留まります。一方、MCアナウンスは会場全体に響き渡る音声により、能動的な注意を向けなくても自然と耳に入るのが特徴です。

さらに、アーティストや司会者の「声」を通じた人間味のあるコミュニケーションは「今すぐブースへ!」といった即時的な行動喚起に優れています。視覚だけに頼る広告よりも、音声による伝達のほうが記憶定着率が高いという点も見逃せません。

ライヴMCがLIVEマーケティングの施策として優れている理由

ライヴ会場でのMCアナウンスは、来場者の心理状態とアーティストへの信頼という2つの要素が重なることで、ほかの広告手法では得られない独自の効果を生み出します。ここでは、マーケティング施策としてMCアナウンスが優れている理由を、具体的に解説していきます。

来場者の高い集中度と受容性を最大限活かせる

開演前やMC中の観客は、アーティストの登場やパフォーマンスへの期待感が高まり、集中力がピークに達している状態にあります。この瞬間は、日常生活では決して得られない特別な心理状態であり、企業メッセージを届ける絶好のタイミングと言えるでしょう。

現代社会において、人々がスマートフォンを手放して前を向いている時間は極めて限られています。しかし、ライブ会場では、ステージに視線を集中させ、音に耳を傾けることが当たり前の行動です。この「希少な瞬間」にメッセージを届けることができるのは、MCアナウンスならではの価値と言えます。

アーティストの信頼が企業に転移する

MCアナウンスの最大の強みは、アーティストが持つ信頼や好感度が、協賛企業にそのまま転移する点にあります。

ファンにとって好きなアーティストは、単なる有名人ではなく、価値観や感性を共有できる特別な存在です。そのアーティストが紹介する企業やブランドは、無条件の広告とは異なり、「アーティストが選んだ企業」という信頼の証明として受け止められます。

この信頼の転移は、企業側が一方的に発信するメッセージよりもはるかに強力です。ファンは「このアーティストが協力しているなら、信頼できる企業に違いない」と無意識に判断し、ブランドに対する好意度が自然と高まります。

ライヴMCで30秒で伝えるための台本設計

MCアナウンスの効果を最大化するには、限られた30秒という時間の中で、誰に何を伝え、どう行動してもらいたいかを明確に設計することが不可欠です。ここでは、効果的な台本を作るための基本要素と、避けるべき失敗パターンを具体的に解説します。

台本作りで意識したい基本の3要素を入れる

効果的なMC台本を作るには、3つの基本要素を明確にする必要があります。具体的には「誰に届けるのか、何を伝えるのか、今すぐどうして欲しいのか」です。

①誰に届けるのか(ターゲット層の明確化)

……来場しているファンの年齢層、性別、ライフスタイルといった属性と、自社の商品やサービスとの親和性を見極めることが出発点となります。ファン属性と商品親和性の交点を見つけることが、メッセージが響くかどうかの分かれ目になるのです。

②何を伝えるのか(コアメッセージの絞り込み)

……次に重要なのが「何を」伝えるかです。ここで徹底すべきは「1メッセージ=1アナウンス」の原則です。「今日の音楽ライヴを支えてくれている企業」という認知だけなのか、それとも「新商品の存在」を知ってもらいたいのかなどといった目的を絞り込むことで、メッセージの突破力が格段に高まります。

③今すぐどうしてほしいか(具体的な行動喚起)

……最後の要素は「今すぐどうしてほしいか」、つまり具体的な行動喚起(CTA)の設計です。ただ企業名を知ってもらうだけでなく、「ブースに立ち寄る」「QRコードを読み取る」「SNSで投稿する」「商品を手に取る」といった、明確な次のアクションを示すことが重要になります。

台本で避けるべき3つの失敗パターン

効果的な台本設計を理解したところで、次は絶対に避けるべき失敗パターンを押さえておきましょう。

失敗①:情報を詰め込みすぎて何も伝わらない

最もよくある失敗が、限られた時間に複数のメッセージを詰め込んでしまうケースです。「〇〇社は創業50年の歴史があり、新商品Aを発売中で、今日は会場にブースも出していて、SNSキャンペーンもやっていて……」と情報を羅列すると、聴衆の頭には何一つ残りません。

失敗②:企業目線すぎてライヴの世界観を壊す

……営業色が強すぎて音楽ライヴの世界観を壊してしまうパターンです。「〇〇社の製品は業界シェアNo.1で、特許取得済みの技術を搭載しており..….」といった企業目線の説明は、ライヴ会場では完全に浮いてしまいます。

失敗③:行動喚起が弱く「聞いただけ」で終わる

……メッセージは届いたものの、次のアクションが不明確なために「聞いただけ」で終わってしまうケースです。「○○をよろしくお願いします」「詳しくはWebサイトで」といった曖昧な締めくくりでは、来場者は何をすれば良いか分かりません。

上記以外にも、専門用語や社内用語の使用も避けるべきです。「当社のBtoBソリューションが」「KPIを重視した施策で」といった言葉は、社内では通じても一般の来場者には全く響きません。若者でも理解できる平易な言葉を選ぶことが、幅広い層に届けるコツです。

【業種別】30秒MCアナウンス設計のポイント

企業の業種や目的によって、効果的なMCアナウンスの設計は大きく異なります。BtoC企業の商品販促、BtoB企業のブランディング、CSR活動の訴求など、それぞれの目的に応じた台本設計のポイントを、具体的な事例を交えながら解説していきます。

BtoC企業(商品認知・購買促進)

BtoC企業が音楽ライヴの会場で商品を訴求する際、最も重要なのは商品の機能説明ではなく「ライヴでの使用シーン」を具体的にイメージさせることです。

たとえば、エナジードリンクであれば「成分表示」を語るのではなく「終演まで全力で盛り上がるためのエネルギーチャージ」といった、来場者の体験に寄り添った表現が効果を発揮します。

化粧品なら「汗に強い処方」より「○○社は、最後まで可愛く写真を撮るための味方」といった言い方のほうが、来場者の心に響くのです。

BtoB企業(企業ブランディング・採用強化)

BtoB企業がライヴ会場でMCアナウンスを行う際は、商品の直接販売ではなく、企業ブランディングや採用強化を目的とするケースがほとんどです。ここで重要なのは、企業理念やビジョンを「アーティスト支援」という文脈で語ることです。

「若いクリエイターの夢を支えることが、○○社の使命です」

「○○社は、創造性を大切にする企業として、このアーティストの挑戦を応援しています」

CSR・地域貢献を訴求したい企業

地域密着型の音楽イベントでは「地元企業」としての存在感を示すことが最大の強みになります。

「○○社は、この街で生まれ、この街と共に成長してきました」

「○○社は、地元の皆さんに支えられてきた企業です」

といったメッセージは、地域住民の共感を強く呼び起こします。全国チェーンの大企業にはない、地元企業ならではの親近感を前面に出すことが効果的です。

実際に効果が出た!MCアナウンス成功事例3選

ライブ会場でのMCアナウンスは、理論だけでなく実際の現場で確かな成果を上げています。ここでは、アーティストや司会者による企業紹介が来場者の行動変容につながった3つの具体的事例をご紹介します。それぞれ業種や目的が異なりますが、共通しているのは「30秒に戦略を込めた」設計と、ライブの世界観を壊さない自然な伝え方です。

事例1|アサヒスーパードライ × ONE OK ROCK ワールドツアー(BtoC商品認知)

アサヒビール株式会社は、2024年9月に開催されたONE OK ROCKの日本ツアーに協賛し、会場内でのMCアナウンスと連動した総合的なプロモーションを展開しました。会場内には「スーパードライ」ブランドの特設エリアを設置し、アーティストによる協賛企業紹介のタイミングで「終演後も余韻を楽しみたい方は、会場外のブランドカーへ」という具体的な行動喚起を実施しました。

※参考:アサヒビール株式会社 ニュースリリース

事例2|福岡ソフトバンクホークス × アサヒスーパードライ 音楽ライブ連携(地域密着型)

福岡ソフトバンクホークスとアサヒビール株式会社は、2010年3月から7月にかけて「ASAHI SUPER DRY “LIVE POP HAWKS”」を開催し、プロ野球の試合前にミニライブを実施する画期的な取り組みを行いました。各試合開始前45分間、渡辺美里、ET-KING、May J.など7組のアーティストがライブを行い、その合間に協賛企業のメッセージが自然な形で伝えられました。

※参考:福岡ソフトバンクホークス公式サイト

事例3|KDDI(au) × 音楽フェス「通信×音楽」独自ポジション確立(BtoB・採用強化)

大手通信事業者のKDDI(au)は「音楽とともに、おもしろいほうの未来へ。」プロジェクトを展開し、複数の音楽フェスに戦略的に協賛しました。フェス会場では、MCアナウンスを通じて「音楽を楽しむために必要な通信環境を、すべての来場者に提供する」という企業姿勢を伝え、実際に公衆Wi-Fi環境の整備や車載型基地局の配備などを実施しました。

※参考:Wantedly – 音楽LIVEマーケティングの協賛事例

MCアナウンスとほかの協賛メニューを連動させる方法

MCアナウンスの効果を最大化するには、単独で実施するのではなく、会場内の他の協賛メニューと戦略的に連動させることが重要です。

視覚と聴覚、リアルとデジタルを組み合わせた統合的なアプローチによって、企業メッセージの浸透度と行動転換率を飛躍的に高められます。

会場内広告で「MCで出てきた社名」を再確認させる

MCアナウンスで耳にした企業名は、会場内の看板やバナー、のぼりといった視覚的な要素で「再確認」してもらいましょう。社名が目に入ることで、聞き流されないのと同時に「あ、さっきMCで言っていた会社だ」という気づきが生まれ、記憶が強化されます。

社名の視覚的な露出は、冠協賛でなくとも複数のメニューを組み合わせることで実現可能です。

会場内CMと組み合わせて印象を強める

会場内の大型ビジョンで流れるCM映像は、MCアナウンスや静的な広告による記憶を強化します。効果的な役割分担としては、ビジョン映像で商品の詳細や使用イメージを視覚的に伝え、その後のMCアナウンスで「今ブースに行けば試せます」といった具体的な行動喚起を行う流れが理想的です。

「CM映像で興味を引く→MCで背中を押す」という連携によって、認知から行動への転換率を高められます。

ブースのキャッチコピーと連続性を持たせる

MCアナウンスで興味を引いた来場者を、実際のブースへ誘導し、体験させ、さらにSNS投稿へと繋げる一連の動線設計は、協賛効果を最大化します。この流れを作る上で、MCで語った内容とブースのキャッチコピーに連続性を持たせることは不可欠です。

たとえば、MCで「夏フェスを最後まで楽しむための、あなたの味方」と紹介した商品であれば、ブースにも同じフレーズを大きく掲示します。来場者がブースに近づいた時「さっきMCで言っていたのはここだ」と即座に認識でき、足を止めてくれる確率が格段に上がるのです。

上記のように、キャッチコピーを統一することで、一貫したメッセージングが実現され、ブランドイメージの浸透度も高まります。

ライヴMCで協賛を成功させるためのポイント

MCアナウンスを活用した音楽LIVE協賛を成功させるためのポイントは、

今回のLIVEマーケティングで実現すべき顧客行動を判断する

ライヴ協賛では「実現すべき顧客の行動」を見極めることが大切です。ことMCによるマーケティングでは、予算や協賛交渉で高いハードルが設けられることが多く、一方で広告はたった数十秒で終わるため、目標を絞って確実に達成しなくてはなりません。

見極めたいのは、顧客が商品・サービスを購入するに至るまでの下記のプロセスのうち、どの行動をとってほしいかです。

  1. 認知:企業名や商品名を知ってもらう
  2. 理解:商品の価値や特徴を理解してもらう
  3. 購買:実際に購入や申し込みといった行動を起こしてもらう
  4. ロイヤリティ:段階では継続的な顧客関係を構築する

上記のうちどの段階に課題があるか慎重に検討することで、MCアナウンスで伝えるべきメッセージが見えます。

最適な世界観を持つアーティストを選定する

協賛するアーティストの選定は、ライヴMC施策の成否を左右する最も重要なポイントです。

最初に行うべきなのは、自社のターゲット層とアーティストのファン層のマッチング分析です。アーティストの公式サイトやSNSアカウントを分析し、フォロワーの年齢層、性別、興味関心、エンゲージメント率などを調査しましょう。自社商品のターゲット層と重なりが大きいほど、協賛メッセージが効果的に届く可能性が高まります。

次に見極めたいのは、アーティストのブランドイメージと自社の親和性も慎重に見極める必要があります。たとえば、サステナビリティを発信しているアーティストとの協賛であれば「価値観を共有するパートナー」として自然に受け入れられ、企業イメージの向上にも繋がります。

契約でMC台本の設計に積極的に関われるよう調整する

協賛契約を結ぶ際、MC台本の設計にどこまで関与できるかは、効果を大きく左右する要素です。最低限、契約段階で台本確認権は得なくてはなりません。

一般的な協賛契約では、企業側が台本案を提出し、アーティスト事務所や主催者の承認を得る流れです。最終的には、上記のプロセスでどこまで深く関われるのか、修正要望をどこまで反映できるかを明文化しておく必要があります。

まとめ|30秒に戦略を込めて企業メッセージを届けよう

ライヴ会場でのMCアナウンスは、効果の高いマーケティング手法として確実な成果を上げています。わずか30秒という限られた時間でも「誰に・何を・今すぐどうしてほしいか」を明確に設計し、アーティストの信頼を活用すれば、来場者に即行動を起こしてもらえるでしょう。

音楽LIVE協賛を支援するライエルでは、企業とアーティストを最適にマッチングし、協賛メニューの選定から台本設計、効果測定まで、音楽LIVE協賛のすべてをワンストップでしています。まずはお気軽にお問い合わせください。