ライブ協賛でUGCを最大化!フォトスポットで二次拡散を狙う戦略とは

ライブや音楽フェスといったイベントは、企業が熱量の高いファンと直接的な接点を持ち、ブランドを効果的に印象付ける絶好の機会です。なかでも、来場者が思わず写真を撮りたくなる「フォトスポット」を設置し、SNSでのUGC(ユーザー生成コンテンツ)創出を狙う協賛戦略は、コストを抑えながら認知度を飛躍的に高める手法として注目されています。

ここでは、ライブ協賛におけるフォトスポットの効果から、UGCを最大化するための具体的な設計ポイント、成功事例、そして集まったUGCの活用法まで解説します。

ライブ会場に設置するフォトスポットの効果とは

ライブ会場に特設されるフォトスポットは、来場者の参加体験をより豊かなものにし、SNSを通じた情報拡散の起点となる重要な役割を担います。イベントの熱気や感動を「誰かと共有したい」というファンの自然な心理を最大限に活用することで、企業の認知度拡大とブランド価値の向上に大きく貢献するのです。

ここでは、フォトスポットがもたらす具体的な2つの効果について解説します。

SNS上で熱量の高いUGCを創出する

ライブという非日常的な空間で得られる感動や興奮は、ファンにとって「この体験をシェアしたい」という強い投稿動機になります。こうした熱量の高い瞬間に生まれた個人の投稿は、企業が発信する広告よりもユーザーにとって信頼性が高く、強い共感を生むUGC(ユーザー生成コンテンツ)として自然に拡散していく力が特徴です。

さらに、特定のハッシュタグを設けることで、同じ体験をしたファン同士がオンライン上で繋がり、新たなコミュニティが形成されるきっかけにもなります。これにより、イベント終了後も継続的なエンゲージメントが期待できるでしょう。

ブランドイメージを保ちながらファンの共感を得られる

フォトスポットは、あからさまな広告宣伝色を出すことなく、来場者に「楽しい体験の一部」として自然にブランドを認知してもらえる絶好の機会です。ファンが自らの意思で撮影・投稿するため、企業からの一方的な情報発信にありがちな押し付けがましさがありません。

また、ファンが憧れるアーティストや、楽しみにしていたイベントが持つポジティブなイメージが、協賛している企業にも投影される「ハロー効果」も期待できます。ファンが良い体験をSNSでシェアする行為は、ほかのファンへの有益な情報提供となり、ブランドに対する感謝や好意的な感情を育むことにも繋がるのです。

思わず撮りたくなるフォトスポット設計のポイント

会場でのフォトスポットは、ただ単に写真を撮る場所を提供するだけでなく、ブランドの世界観やイベントの魅力を感じさせ、ファンを惹きつける重要な舞台です。ここでは、ファンが思わず撮りたくなる設計のポイントを具体的に解説します。

体験型ブースで世界観に引き込む

体験型ブースを設けるときは、商品やサービスを実際に試せるサンプリングの機会を提供します。ドリンクやコスメ、最新のガジェットなど、自社の商品を五感で直接体験できる工夫を凝らしましょう。

ライブ会場で体験を提供するときは、ブランドの世界観を反映した内装、BGM、照明を駆使することで、来場者の没入感を一層深めることができます。

また、単なる展示に留まらず、休憩スペースやスマートフォンの充電スポットとしての機能を持たせることで、来場者にとって「あって嬉しい場所」となり、滞在時間が自然と延びる効果も期待できます。

アイコニックなロゴ掲出でブランド名を刷り込む

フォトスポットで撮影される写真に、自然な形でブランド名を印象付ける工夫も重要です。写真の背景となるバックパネルには、イベントロゴと並べて企業ロゴを配置すると良いでしょう。

さらに、ロゴを立体的なオブジェとして設置すれば、来場者が触れたり一緒に撮影したりする中で、より強くブランドを記憶に残すことができます。

そのほかにも、巨大な商品パッケージやキャラクターのバルーンなど、写真映えするアイコニックなシンボルを設置したり、照明やプロジェクションマッピングを用いたりすることで、空間全体でブランドロゴを効果的にアピールできます。

アーティストとの連動を強調してファンの心を掴む

ファンの心を掴むためには、アーティストとの連動性を強調することが極めて効果的です。アーティストの等身大パネルや手書きメッセージを設置し、「憧れのアーティストと一緒に撮れる」という特別な体験を提供しましょう。

また、フォトスポットのデザインにツアーロゴやキービジュアル、歌詞の一部などを取り入れることで、ファンの共感を強く呼び起こします。最近では、限定のARフィルターなどにより「スマートフォンをかざすとアーティストが映像で出現する」といった変わった仕掛けも人気です。

さらに、アーティストとのコラボグッズをその場に展示し、QRコードからECサイトへ誘導することで、ファンの購買意欲を直接的に刺激することもできます。

フォトスポット×SNSでUGC創出に成功した3つの戦略

フォトスポットとSNSを連携させる戦略は、企業の認知拡大やファンとの関係構築において非常に効果的です。ここでは、その具体的な手法を理解するために、UGCの創出に成功した3つの特徴的な事例を紹介します。

J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE|会場の特性を活かした「和」のフォトジェニック空間

音楽イベント「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE」は、大相撲の聖地である両国国技館で開催されるという、他に類を見ない特徴を持っています。この「和」の雰囲気を最大限に活かし、多くの協賛企業は「のぼり」や「提灯」といった、会場のテーマに溶け込むフォトスポットを提供しました。

来場者は、イベントの記念としてごく自然にこれらの前で写真を撮ります。その結果、SNSに投稿される写真には、イベントの熱気や非日常感とともに、協賛企業のロゴが一緒に写り込みます。会場の独自性を巧みに利用し、来場者の投稿意欲を刺激しながら、無理なくブランド名を拡散させることに成功した好例です。

※参考:https://www.j-wave.co.jp/special/guitarjamboree2025/

XD World Music Festival × Yogibo|特別な「体験」そのものが自然なフォトスポットに

ビーズソファで知られるYogiboは、「XD World Music Festival」の冠スポンサーとして、会場内に製品を多数設置した快適な休憩スペースを用意しました。これは単なる展示ではなく、来場者がライブの合間に実際にソファでくつろげる「体験」を提供するものです。

この「Yogiboでリラックスする」という特別な体験そのものが、来場者にとって絶好の撮影機会となりました。結果として「#yogibo」といったハッシュタグと共に、製品の心地よさが伝わる写真が数多くSNSに投稿されました。フェスの楽しい記憶と製品の快適な使用感が結びついた、非常に質の高いUGCが自然発生した優れた戦略です。

※参考:https://yogibo.inc/press-release/others/2024/05/18584/

優里 × FILA|等身大パネルがファンとの絆を深め、来店を促進

シンガーソングライター優里さんとFILAのコラボスニーカー発売時には、販売店舗であるシュープラザの一部でPOP-UPストアが展開されました。この施策の核となったのが、店頭に設置された優里さんの等身大パネルです。

ファンにとって、憧れのアーティストと並んで写真が撮れるこのパネルは、強力なフォトスポットとして機能しました。これにより、ファンが店舗に足を運ぶ動機が生まれただけでなく、撮影した写真をコラボスニーカーの購入報告と共にSNSへ投稿する流れが作られました。アーティストとの連携を通じて、店舗への来店促進とSNS上でのUGC創出を同時に実現した、巧みなO2O(Online to Offline)戦略といえるでしょう。

※参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000358.000013170.html

ライブ協賛で創出したUGCを最大限活用する方法

ライブ協賛によって生まれたUGCは、投稿されて終わりではありません。それらを戦略的に活用することで、一過性の話題に留まらない、持続的なマーケティング効果を生み出せます。ここでは、集まったU価値を最大化するための3つの具体的な方法について解説していきましょう。

ハッシュタグキャンペーンで投稿を促進・収集する

UGCを効果的に集め、活用するためには、ハッシュタグキャンペーンが有効です。「#企業名xイベント名」のように、来場者が覚えやすく、かつユニークなハッシュタグを設計しましょう。さらに、投稿者の中から抽選でサイン入りグッズや割引クーポンが当たるなど、参加したくなるインセンティブを用意することで、投稿のモチベーションを高められます。

キャンペーンの参加を促すためには、会場内のデジタルサイネージやスクリーン、配布物など、あらゆる場所でハッシュタグを告知することが重要です。そして、集まった投稿はSNSのモニタリングツールなどを用いて効率的に収集・分析し、キャンペーンの効果測定や次回の企画改善に役立てます。

公式アカウントでのリポストでファンとのコミュニケーションを深める

ファンによって投稿された素敵なUGCは、企業の公式アカウントで積極的に紹介(リポスト)しましょう。その際、投稿者のアカウントをメンション(タグ付け)して感謝の気持ちを伝えることで、ファンは「企業に認められた」という喜びを感じ、ブランドへのエンゲージメントが一層深まります。

また、集まった投稿をイベントのテーマごとにストーリーズやハイライト機能でまとめることで、イベント後もファンと共に余韻を共有し、継続的な関係を築くことが可能です。さらに、投稿された写真やコメントは、消費者のリアルな声として、次回の協賛企画や商品開発の貴重なヒントにもなります。

広告クリエイティブへの二次活用でリアルな訴求力を高める

ファンが作成したリアルなUGCは、広告クリエイティブとして二次活用することで、非常に高い訴求力を発揮します。利用する際は、必ず投稿者に個別に連絡を取り、具体的な方法も含めて広告利用の許諾を得るようにしましょう。キャンペーンを行う場合には、応募規約に二次利用の可能性を明記しておくとトラブルがありません。

活用の許諾があるコンテンツの用途はさまざまです。ウェブサイトの「お客様の声」やLP(ランディングページ)に掲載して第三者の評価として信頼性を高める、採用活動において企業の魅力を伝えるコンテンツとして活用するなど、いずれの用途でも強力な宣伝効果を生みます。

まとめ

ライブ協賛によるマーケティングでは、ファンの「共有したい」という自然な心理を活かし、ブランドへの共感を獲得しつつ二次拡散を狙いたいところです。具体的な手法として、SNS上で拡散しやすく、UGCの創出も狙える「フォトスポットの設置」が考えられます。

「低コストで認知を広げたい」「SNSでの話題化を狙いたい」とお考えのマーケティング担当者様は、ぜひライエルのライブ協賛サービスをご検討ください。弊社では、企業の課題に合わせた最適な協賛プランのご提案から、効果的なフォトスポットの企画・設計まで、一気通貫でサポートいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。