【事例付き】ライブ協賛メニューを使った会場内タッチポイント設計で「即時CV」を生むためのポイント

ライブ協賛にあるさまざまなメニューは、タッチポイント(顧客と接点を持つ機会・場所)を意識して活用することで、最大の集客効果を引き出せます。ライブ終了後の「もう一押し」も重要だといえるでしょう。ここでは、下記のメニューを使いこなすためのポイントを解説したうえで、成果のあった協賛事例も紹介します。

  • 会場内CM
  • ブース出展
  • サンプリング
  • 客席バナー

ライブ体験から協賛企業へのCVまでの導線の基本

会場では「短く伝える・すぐ動ける・迷わず終わる」を先に設計すると、その場の登録や購入に結びつきます。人の流れが自然に止まる地点へ接点を置き、写真映えする仕掛けで投稿と遷移を同時に生み、出口手前で最後の後押しを行う流れを作ってみましょう。

5秒理解・10秒行動・30秒完了を理解する

顧客の行動は「5秒で理解し、10秒で行動し、30秒で完了する」というペースで考えると良いでしょう。実際にはより大きな時間配分となりますが、あくまでも端的に伝えて行動させることが大切です。

■最初の5秒で「何が得られるか」を一言で見せる
モニュメントなどで短くキャッチーなメッセージを発信します。本文や映像は欲張らず、高コントラストの短いコピーに要点を集約しましょう。

■次の10秒で「どう行動するか」を見せる
手に取ってもらうサンプルなどにおいて、QRコードやURLなどをわかりやすく配置します。店舗に来てもらう場合は、わかりやすいアクセスマップを置くと良いでしょう。

■残り30秒で「行動を実行」させる
クーポンの利用方法を短く・わかりやすく提示したり、サイト上の購入ページのUIを見やすく・操作しやすいものとします。ホームページで購入や問い合わせを誘導するときは、通信が不安定でも動く軽いページを用意し、画像やスクリプトの読み込みを抑えておきましょう。

会場の回遊を「CV導線」に置き換える

ライブ会場のどこで露出すればコンバージョン(購入や問い合わせなど)を誘導するかどうかといった「導線」の考え方は重要です。

具体的な露出の狙い目は、人が集まって歩みが緩む合流点や滞留点です。たとえば、フォトスポットの隣に誘導を作れと、撮影そのものが導線になります。モニュメントを出す場合は、正面にQRと短いハッシュタグを置き、写真に自然と読み取り要素が写り込む設計にすると、投稿から特設ページへの遷移がスムーズです。

会場内CMのポイント|コンバージョン率を高めるタイミングと作り方

会場内CMは「いつ流すか」「どう見せるか」「何を言い切るか」で成果が変わります。時間帯ごとに役割を分け、視認と聴取の条件を会場仕様に合わせ、冒頭でカテゴリを即提示し、すぐに行動できるQRと報酬をセットにすると、視聴がそのまま登録や購入につながります。

開演前・転換中・終演直後の3波で到達最大化を目指す

来場者の注意と動ける余白は時間で変わります。注意を引いて消費や問い合わせと行った行動に移ってもらいやすいのは、協賛するライブのなかだと「開演前・転換中・終演直後」の3つのタイミングです。

開演前と終演直後は来場者にとっては心理的に余裕があるタイミングであり、サンプリングやバナー、シートカバーの装飾に目を止めてもらいやすいといえます。とくに終演直後は帰路に入る直前の意思決定が起きやすく、会場限定特典やクーポンの回収を前面に出すとよく反応します。

ライブ内の転換中は来場者にとって「ひと呼吸おいてゆっくりとあたりを見回す時間」にあたり、開演前に見かけた協賛企業のロゴ・メッセージをあらためて席周辺で繰り返すことで、印象づけが可能です。

3秒でカテゴリを想起させる

協賛ライブの会場内で企業からメッセージを出す場合は、最初の3秒で「これは何のカテゴリか」を言い切ることを意識しましょう。見る人が迷わず意味をつかみ、心の中で検討に入れるようにするためです。

例として「防水シューズなら」「高音質ワイヤレスなら」のように、冒頭で要点を提示する方法が挙げられます。商品・サービスの画像をメッセージに織り込むと、どんなものか一目でわかってもらえます。

ブース出展のポイント|場所・導線・人員配置の最適解とは

ブースは「どこに置くか」「どう流すか」「誰が対応するか」で成果が決まります。合流点に立地し、迷いのない一筆書きの導線を作り、役割を分けた人員で詰まりを解消すると、短時間でも体験から登録・受取まで到達できます。音や電波などの会場条件も事前に測り、会話と登録が成立する環境を確保します。

合流点・三方向視認・滞留可能な場所に設置する

人が集まり、見え、立ち止まれる場所を選ぶと、説明と登録が自然に成立します。コンコースのY字合流や物販・飲食導線の交差、休憩エリアの境目は歩みが緩むため、会話と体験が始まりやすくなるでしょう。

ほかには、上部から遠くでも見える高いサインと、足元のフロアステッカーを併用すると、人混みでも認識されやすくなるといえます。近接のスピーカーから距離を取り、電源と通信の状態を事前に実測しておくと、説明が聞き取れ、登録も中断しにくくなります。

並ぶ→体験する→登録するor受け取るまでの導線を意識する

ブース出展の導線を「並んで体験し、登録やサンプルの受け取りを行う」という順で意識すると、人員配置や内部の作り込みがやりやすくなります。

まずは入口から出口まで戻らずに進める設営を意識しましょう。迷いが減り完了率が上がります。並んでいる最中に先頭で商品・サービスの説明をしっかりとできるよう人員を配置することで、途中離脱を防げます。商品やサービスの体験は短すぎず・長すぎず、並んでいる最中からの総時間で全体を把握できるようにするのが適切です。

会場内でサンプリングを「受け取りにくる」しかけとは

ライブ会場内での配るだけのサンプリングは忘れられやすいですが、受け取りたくなる理由と場所、そして次の行動までの設計をそろえると、その場の登録や購入に結びつきます。

「受け取り理由」を作ると配布がCVに変わる

ライブ会場内でのサンプル配布は、受け取りの条件を行動と結びつけると、配布がCVに変わります。登録またはSNS投稿をすると受け取れるしくみや、その場で当たる抽選に参加できるしかけを作ると、受け取りの瞬間に行動が完了しやすくなるでしょう。

さらに当日限定の特典や残数表示を掲示すると「今もらわないと損」という心理が働きます。カウントダウンや「残り◯個」のサインは、迷いを減らし背中を押します。

使い切り設計・1メッセ1CTAで次アクションを固定する

ライブ会場内で配布するサンプルは「すぐに使って良さが分かるサイズ」と「ひとつだけのメッセージ」に絞ると、次の行動がぶれません。1回分のサンプルに「登録で当たる」などの短い導きを添え、余計な説明を削ると現場でも読まれます。

客席バナーのポイント|読みやすい位置を工夫する

客席バナーは、席に座ったままでも読みやすい位置を意識しましょう。バナーに記載する内容も読みやすさに影響します。

視認できる位置・適切なタイミングを検討する

ライブ会場内のバナーは読めない位置にないと意味を成しません。手すりや機材、視認角度によるデッドアングルなどは事前に洗い出し、バナー掲示位置が「死角」にならないようにしましょう。

ほかには、掲示するタイミングも重要です。スクリーン表示や会場内CMと同時刻にバナーのメッセージが見えるようにすると、記憶に残りやすくなります。

7語以内・わかりやすいアクセス案内とする

ライブでのバナー掲示は、読みやすさも重要です。遠くからでも一瞬で理解できるようなるべく7語以内の短いコピーに絞り、巨大なQRと読みやすい短縮ドメインを併記するなど、わかりやすいアクセスの案内としましょう。コントラストの高い配色と太字の書体、非反射の素材にすると、照明の当たり方や角度の変化でも可読性が保たれます。

会場内タッチポイントの設計を意識したライブ協賛の実例

ライブ協賛の実例は「どの接点で、何を、どの順番で体験させるか」を具体化するためのお手本になります。ここでは、現地の環境や来場者の行動パターンに合わせて接点(CM・ブース・サンプリング・フォト導線)を束ね、写真や登録が自然連鎖するように設計したケースを取り上げます。

フジロックに継続協賛するKEENの事例

フジロックは雨天・泥濘(ぬかるみ)・長時間歩行など、シューズの性能を即体感しやすい環境が揃っています。継続協賛するKEENは、フジロック会場ならではの環境を味方にし、ブースでの短時間デモ、フィールドでの実歩体験、フォトスポットやモニュメントでの記念撮影をひとつの回廊としてつなぎました。

また、開演前・転換中・終演直後には会場内CMや客席面のサインでメッセージを同期し、出口前では会場限定特典やサンプル受け取りで最後の一押しを設計しています。結果として、体験→投稿→登録→回収が途切れずに続く導線が成立している点が評価できます。

※参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000059148.html

サマソニのAudio-Technicaが作り出す体験導線

サマソニ(サマーソニック)に協賛したAudio-Technica(オーディオテクニカ)は、2013年にはブースに比較試聴のセットを用意し、2016年にはVR体験ブースを出展しました。ライブ出演者の音楽・映像を通じ、自社の製品をアピールするしかけです。

また、来場者の投稿を会場内ソーシャルボードに掲出する仕掛けを加えているのも興味深い点です。投稿→掲出→再投稿の循環を作ると同時に、即時登録を促すしくみです。

※参考:https://markezine.jp/article/detail/25022

会場の外まで続く「翌日フォロー」でCVをもう一度伸ばす

当日の成果で終わらせず、翌日にもう一度アクションを起こしてもらうしかけを用意すると、取りこぼしを減らせます。ポイントは、会場での体験を思い出してもらいながら、「今なら得」と感じる理由をシンプルに示すことです。

翌日12時に「もう一度だけお得」を知らせる

終演直後に決めきれなかった人へ、翌日の正午にお知らせを送ります。内容は、会場限定の特典を24時間だけ延長する、ダイジェスト動画を先行で見られる、抽選の“復活当選”がある、などです。件名と冒頭文は「昨日のライブのワンシーン」を思い出す表現にして、当日の熱を呼び起こします。これで、迷っていた人の背中をそっと押せます。

投稿から「二段階の案内」で関心を深める

会場で撮った写真や動画の投稿は、当日は「登録・抽選」など短い行動へ、翌日は「使い方・レビュー・比較」など少し長い読み物へ繋げます。こうすると、興味の段階に合った案内になり、納得して次に進みやすくなります。ハッシュタグは短く分かりやすい言葉にし、プロフィールのリンクや固定ポストにも同じゴール(限定ページ)を置いて迷いを減らします。

接点ごとにURLを分けて、何が効いたか見える化する

同じQRでも、会場内CM用、バナー用、ブース用、モニュメント用、サンプル用と分けたURLにすると、どの接点から何件の登録や購入があったかが分かります。翌日の案内も、送る時間や言い方の違いでURLを分けておくと、次回に向けて“どれが効いたか”を簡単に学べます。

迷いをなくすための「よくある質問」を先に見せる

買う前や予約前に気になること(サイズ交換、返品、支払い方法、到着日など)を、最初から分かりやすく載せます。チャットやLINEでの質問窓口をそばに置くと、不安が解消されやすく、保留やキャンセルを防げます。迷いを早く解くことが、そのままCVの増加につながります。

写真を「紹介のきっかけ」にして広げる

ライブの写真を家族や友人に見せるときが、自然な紹介のタイミングです。共有用の画像やカードに紹介コードを入れ、紹介した人・された人の両方に小さな特典がある形にすると、翌日のCVが横に広がります。紹介で来た人は長く使ってくれる傾向があるため、こうしたしくみは継続して置いておくと効果が積み上がります。

まとめ

ライブ協賛でCVを生むかどうかは、各メニューにおいて「見やすく短い時間で理解できること・導線を意識すること」を押さえられるかどうかにかかっています。会場内構造の理解や掲示するメッセージ作りをしっかりと行い、最大の効果を得ましょう。

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