SNSキャンペーンの効果的な実施方法として、ライブ協賛との組み合わせが注目されています。狭く・深くリーチすることで、効果的にプレビュー数やコンバージョン率を上昇させる期待があります。
ここでは、ライブ協賛×SNSキャンペーンのメリットや成功事例、企画のステップを紹介します。
なぜ今「ライブ協賛×SNSキャンペーン」が注目されるのか

SNSキャンペーンはマーケティング手法のひとつとして流行し続けていますが、ユーザーの広告に対する耐性や無差別なリーチが仇となり、失敗に終わることがしばしばあります。そこで注目されているのが、ライブ協賛との組み合わせるタイプの企画です。
従来のSNSキャンペーンでは届かない理由
日々大量の情報に接するSNSユーザーには「広告に対するスルー耐性」が備わっています。熱心なファン層へのピンポイントのアプローチは難しく、企業からの一方的な情報発信は「世に溢れる広告のひとつ」として敬遠されかねません。
上記のような理由から、工夫して立てた企画でもプレビュー数やコンバージョン率で伸び悩むことがあります。そこで求められるのが、新しい広告のしくみや企画です。
ライブ協賛との組み合わせで変わる「SNSキャンペーンの質」
SNSキャンペーンとライブ協賛との組み合わせは、インターネット広告に「アーティストへの協賛」という動機を織り込むことを意味します。このような「動機のある広告」は、一方的に見せられる広告に対するネガティブな感情を取り除き、結果としてプレビューされやすくなります。
キャンペーンの範囲が「アーティストの持つ世界観やメッセージを支持する人」へと自然に絞り込まれるのもメリットです。適切な協賛先の選定が前提となりますが、事業内容や製品・サービスに興味関心を抱きやすい層の厳選につながり、短期間でのコンバージョン率上昇が期待できます。
ライブ協賛を活用したSNSキャンペーン成功事例
ライブ協賛を活用したSNSキャンペーンは多数催されています。ここでは、最近の事例をいくつか紹介します。
ZONe ENERGY × 千葉雄喜 日本武道館ライブ記念キャンペーン
エナジードリンクブランド「ZONe ENERGY」は、ラッパー・千葉雄喜の日本武道館ライブ開催を記念し、SNSと連動したプレゼントキャンペーンを実施しています。ライブという特別なイベントの熱量を活用し、オンライン上での話題作りとフォロワー獲得を目指しました。
このキャンペーンは、アーティストのファンが持つ「ライブを応援したい」「限定グッズが欲しい」という熱意を、ブランドのSNSエンゲージメントに直接転換させる王道かつ効果的な手法です。ライブへの協賛という事実が、単なる景品付きキャンペーンではない「アーティストを共に応援する」という付加価値を生み出すものです。
【参考】 ZONe ENERGY(ゾーンエナジー)公式サイト
JOYSOUND × iCON Z 〜Dreams For Children〜 連動キャンペーン
カラオケ事業を展開する株式会社エクシングは、LDH JAPAN主催のオーディション「iCON Z 〜Dreams For Children〜」の日本武道館での最終審査に協賛しました。その際、自社サービス「JOYSOUND」と連動したユニークなSNSキャンペーンを展開。オーディションの課題曲を全国のJOYSOUNDで歌い、その採点結果画面を写真に撮ってX(旧Twitter)にハッシュタグ付きで投稿すると、抽選で武道館ライブのチケットや出演者のサイン入りグッズが当たるという企画でした。
成功の鍵は、自社のコアビジネス(カラオケ)と協賛イベントのコンテンツ(オーディション課題曲)を深く結びつけた点です。ファンはただイベントを観るだけでなく、「歌う」という能動的な形でオーディションに参加し、その熱量をSNSで共有することができました。
【参考】LIL LEAGUE×JOYSOUND コラボキャンペーン|JOYSOUND.com
JOYSOUND × 菅田将暉 SNSキャンペーン
JOYSOUNDは、ブランドアンバサダーである菅田将暉さんを起用した「ココロのボリューム、あげていこう。」キャンペーンの一環として、SNSと店舗を連動させた施策を実施しました。参加者はJOYSOUNDの店舗へ行き、店内に掲示された菅田将暉さんのポスターや、カラオケルームで流れる特定の映像を撮影。その写真を指定のハッシュタグと共にX(旧Twitter)やInstagramに投稿することで、抽選でオリジナルポスターが当たるという企画です。
このキャンペーンの巧みさは、オンライン上の告知でオフラインの店舗へユーザーを誘導し、さらにその体験をオンライン(SNS)へ還流させるというサイクルを設計した点にあります。参加者は景品応募のために能動的にブランドの掲示物を探し、撮影・投稿します。このプロセスを通じて、キャンペーンのキーメッセージやブランドロゴを含んだUGC(ユーザー生成コンテンツ)がSNS上に大量に拡散され、広告感の薄い自然な形での認知拡大に成功しました。
【参考】カラオケ店舗で対象のポスターや店頭パネルなどを撮ってSNSに投稿しよう!|PR TIMES
SNSプラットフォーム別のキャンペーン手法
ライブ協賛と連動させるSNSキャンペーンは、プラットフォームの特性を理解し使い分けることで効果を最大化できます。
ここでは、拡散力に優れたX(旧Twitter)、世界観の表現が得意なInstagram、参加型企画で盛り上がるTikTok、顧客との深い関係構築に長けたLINEの4つについて、それぞれの特徴を活かす手法を整理します。
X(旧Twitter):フォロー&リポストキャンペーン
圧倒的な拡散力が魅力のX(旧Twitter)では、公式アカウントのフォロー&リポストで、ライブチケットや限定グッズを景品とする手法が一般的です。リアルタイム性を活かし、当日の感想投稿を促す企画や、その場で当落がわかるインスタントウィン機能で参加率を高めます。選択肢を提示し、ユーザーのアクションを促す「カンバセーショナルカード」の機能を使用するのも有効です。
Instagram:フォトコンテスト&ハッシュタグキャンペーン
ビジュアルで世界観を伝えるInstagramでは、会場にフォトジェニックなブースを設置し、ハッシュタグ投稿を促す施策が効果的です。ストーリーズのARフィルターで没入感のあるブランド体験を提供したり、アーティストとのコラボリール動画で期待感を醸成したりします。集まったユーザー投稿を公式アカウントで紹介し、ファンとの一体感を高めることも重要です。
TikTok:ユーザー参加を促すハッシュタグチャレンジ
若年層を中心に人気のTikTokでは、アーティストの楽曲を使ったハッシュタグチャレンジが有効です。企業オリジナルのブランドエフェクト(スタンプ)を開発し、ユーザーに楽しんで使ってもらう仕掛けも面白いでしょう。人気クリエイターを起用して流行の火付け役としたり、当日の舞台裏をショート動画で発信したりして、イベントの熱気を伝えます。
LINE:来店促進やリピートに繋げるクローズドキャンペーン
クローズドな環境で深い関係を築くならLINEが最適です。会場で友だち追加した人限定の特典を用意したり、商品購入とライブ招待を連動させたマストバイキャンペーンを展開したりします。ライブ参加者限定のアンケートで顧客の声を収集し、クーポン等を配布するのも良いでしょう。キャンペーン実施後もセグメント配信で参加者に合わせた情報を届けることで、長期的な関係を構築できます。
ライブ協賛×SNSキャンペーンを成功に導く5つのステップ

ライブ協賛とSNSキャンペーンを成功させるには、思いつきの企画ではなく、戦略に基づいた緻密な計画が不可欠です。目的の明確化から効果測定まで以下5つのステップで進めることで、施策の効果を最大化し、熱狂的なファンを自社のファンへと変えられるでしょう。
STEP1:目的とKPIを明確にする
まず「何のために実施するのか」という目的を具体化します。認知拡大、ブランド好意度の向上、販売促進など、目的によって戦略は変わるでしょう。
次に必要なのが、目的に応じたKPI(重要業績評価指標)の設定です。インプレッション数やUGC投稿数、指名検索数などが指標例として挙げられます。
ほかには、数値目標だけでなく「どんなブランドと思われたいか」という定性的な目標も重要です。
STEP2:ターゲット層とアーティストのファン層をマッチングさせる
自社が届けたいターゲットのペルソナ(年齢、性別、価値観など)を明確にしましょう。ここで明確にしたペルソナにつき、協賛を検討するアーティストのファン層と合致しているかSNSなどで分析します。
なお、親和性の高いアーティストを見つける方法としては、過去の協賛企業を調べたり、メディア露出を確認したりするリサーチなどが考えられます。
STEP3:ファンの心をつかむ企画を立てる
ライブ協賛とSNSキャンペーンの組み合わせを成功させるための企画では、ファンが「参加させられている」と感じることなく「自ら参加したい」と思える体験価値を重視しましょう。ファンの「推しを応援したい」などといった心情・目的を尊重し、企業側の都合を押し付けない企画が不可欠です。
また、ファンの共感を呼ぶにあたっては、ライブの世界観やアーティストのクリエイティブを最大限リスペクトする姿勢が重要です。
STEP4:ハッシュタグとインセンティブを設計する
キャンペーンの拡散と参加は、ハッシュタグとインセンティブによって実施します。ハッシュタグは、覚えやすく、入力しやすく、そして独自性のある言葉を選びましょう。インセンティブ(景品)には、お金では買えない「限定感」や「特別感」を演出することが重要です。
ファンにとって価値のある体験の提供方法としては、ノベルティの提供やイベントへの特別招待などが考えられます。キャンペーンの目的に合わせ、最適なインセンティブを選びましょう
STEP5:効果測定とレポーティングを行う
マーケティングやプロモーションの施策は実行して終わりではありません。設定したKPIを計測するため、SNS分析ツールやアンケートツールなどを準備します。
集まったUGC(クチコミ)の内容を分析すれば、消費者のリアルなインサイトを発見できるでしょう。また、ブランドリフト調査や指名検索数の推移を見れば、ブランディング効果の可視化も可能です。
結果を次に活かすため、レポーティングを通じてPDCAサイクルを回し、ノウハウを蓄積していくことも大切です。
ライブ協賛はハードルが高いと感じている企業様へ
ライブ協賛とSNSキャンペーンの組み合わせには、広告の動機を明確化し、ターゲットを「アーティストのファン=協賛企業の事業内容や製品・サービスに興味を持つ可能性が高い人」に絞り込む効果があります。十分なプレビュー数やコンバージョン率の獲得を目指すにあたり、有効な方法として注目されています。
とはいえ「ライブ協賛は大手企業のもので、予算やノウハウの面でハードルが高い」とのように敷居が高く企業様が多いのではないでしょうか。
ライエルは、企画から実施までをワンストップで支援するライブ協賛の専門サービスです。中小企業様の予算感でも実施可能なプランをご提案し、豊富なネットワークから最適な協賛先を見つけ出します。まずは貴社の課題や実現したいことをお気軽にお聞かせください。
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