認知度向上でお悩みの企業へ|採用強化とブランディングも実現する「ライブ協賛」の始め方

企業の認知度向上での行き詰まりを感じたときに検討できるのが「アーティストライブへの協賛」という手段です。ここでは、音楽の力で顧客の感情を動かし、企業の認知度向上はもちろん、採用強化や強力なブランディングまで実現するライブ協賛の始め方と成功の秘訣を解説します。

中小企業の認知度向上でよくある悩み

中小企業の認知度向上において課題化しやすいのは、広告効果の頭打ち、他者との差別化の限界です。近年の人材市場における売り手有利の傾向のもとでは、採用のためのブランディングも必要となり、取り組みはますます困難になりつつあります。

Web広告の効果が頭打ち、CPAも高騰している

企業の認知度向上施策として、多くの企業がWeb広告(リスティング広告、SNS広告)に注力してきました。しかし、参入企業が増えたことで競争は激化し、広告のクリック単価(CPC)は上昇の一途をたどっています。その結果、一人の顧客を獲得するためのコスト(CPA)も高騰し、広告予算を圧迫する大きな要因となりました。

さらに、Cookie規制強化といったプライバシー保護の世界的な流れは、これまで有効だったターゲティングの精度を低下させています。加えて、ユーザー自身が日常的に大量の広告に接することで、無意識に広告を避けてしまう「バナーブラインドネス」という現象も顕著です。

他社との差別化が難しく、新しい打ち手が見つからない

製品やサービスの機能・価格面での差別化は、市場の成熟(コモディティ化)によってますます困難になっています。優れた品質を追求しても、すぐに他社に追随され、独自性を保ち続けることは容易ではありません。

マーケティング手法においても、Web広告やコンテンツマーケティングなど、多くの企業が同じような施策に取り組んでいるため、情報の大海に埋もれてしまいがちです。

採用活動にも繋がるようなブランディング施策を探している

少子高齢化による労働人口の減少を背景に、とくに中小企業にとって優秀な人材の確保は喫緊の経営課題です。しかし、従来の求人媒体へ出稿するだけでは、自社の本当の魅力は伝わりにくく、応募が集まらないケースも少なくありません。

そこで重要になるのが「この会社で働きたい」と求職者に心から思わせるようなブランディングです。認知度向上の施策では、こうした採用の観点でも重要性を増しています。

従来の認知度向上施策が効きにくくなっている理由

これまで多くの企業で「当たり前」とされてきた認知度向上の手法が、なぜ通用しにくくなっているのでしょうか。手軽に始められるデジタル広告は競争の激化とユーザーの「広告疲れ」に直面し、大きな影響力を持つマス広告は高コストとターゲティングの難しさという壁があります。

デジタル広告の飽和とユーザーの広告疲れ

インターネット利用者が一日に接触する広告の量は爆発的に増え、多くのユーザーは無意識のうちに広告に対して心理的な抵抗感を抱く「広告疲れ」の状態にあります。この現象は、広告をクリックしない、内容を記憶しないといった形で現れます。

広告疲れの具体的な行動として、広告ブロックツールの利用が広がっていることが挙げられます。ユーザーが積極的に広告を避けようとしている明確な証拠といえるでしょう。その結果「広告」と認識された瞬間に内容が見られることなく、情報が届かないケースが増加しています。

マス広告の高コストとターゲティングの難しさ

テレビCMや新聞広告に代表されるマス広告は、絶大なリーチ力を持つ一方で、莫大な費用がかかるため、とくに中小企業にとっては導入のハードルが非常に高い施策です。多額の投資をしても、期待した成果が得られないリスクも伴います。

また、マス広告には「幅広い層に情報を届けられる一方で、自社の製品やサービスを本当に必要としているターゲット層に限定して深くアプローチすることは困難」という特徴もあります。デジタル広告のように個々のユーザーの反応をデータで追うことが難しく、投資対効果(ROI)を正確に計測しにくいという課題も見逃せません。

新しい打ち手はライブ協賛|感情を動かすマーケティングとは

従来の広告手法に限界を感じているなら、次の一手として「アーティストライブへの協賛」が考えられます。音楽というエンターテインメントが持つ、人の感情を強く揺さぶる力を活用した、全く新しいアプローチです。

音楽の力でブランドを届ける新しい手法

ライブ協賛とは、企業がアーティストのコンサートや音楽フェスに対し、スポンサーとして資金や物品を提供し、その見返りとしてPRの機会を得る活動のことです。従来、こうした協賛は音楽業界と関連の深い企業が中心でした。

この手法の大きな特徴は、一方的な「広告」ではなく、音楽という文化を支える「支援活動」として、ファンに好意的に受け入れられやすい点です。企業のメッセージを、音楽の持つ人の心を動かす力に乗せて届けることで、深く、そしてポジティブな印象を刻み込みます。

なぜライブ協賛が認知度向上に効果的なのか

ライブ協賛が認知度向上に絶大な効果を発揮する理由は、そのアプローチの質と量にあります。まず、特定のアーティストを熱心に支持する、熱量の高いファンコミュニティに対して、ダイレクトに自社の存在を知らせることが可能です。

ライブ会場では、数千人から数万人規模の来場者に対し、ステージ上のロゴ掲出やサンプリングなどを通じて、一斉にブランドを認知させることができます。SNSが浸透した現在は、ライブの感動を胸にしたファンによる投稿で企業名も一緒に拡散される二次拡散効果が期待できます。

ライブ協賛が強いブランド愛着を生むしくみ

ライブ協賛が単なる認知で終わらず、強いブランド愛着(ファン化)にまで繋がるのには、心理的なメカニズムが働いています。ファンにとって、協賛企業は「自分たちの好きなアーティストを応援してくれる、価値観を共有できる存在」と映ります。このポジティブな第一印象が、企業そのものへの好感度を高めるのです(ハロー効果)。

さらに、ライブの感動や興奮といった非日常の特別な体験は、強烈な感情と共に記憶されます。その瞬間に目にした協賛企業名は、楽しい思い出と分かちがたく結びつき、忘れがたいポジティブな記憶として心に刻まれます。これは、顧客を単なる「消費者」としてではなく、同じ感動を共有した「仲間」として巻き込む、新しい関係構築の手法といえるでしょう。

ライブ協賛がもたらす6つの具体的なメリット

ライブ協賛は、単なる認知度向上に留まらない、多岐にわたるメリットを企業にもたらします。熱量の高いファンに直接アプローチできるだけでなく、ポジティブな感情と結びついた強力なブランディング効果や、採用活動への好影響も期待できるのです。

さらに、CSR活動として企業の社会的評価を高めたり、新たなビジネスネットワークを構築したりする機会にも繋がります。本章では、ライブ協賛が持つこれら6つの具体的なメリットについて、一つひとつ詳しく解説していきます。

熱量の高いファンへのダイレクトリーチと認知拡大

ライブ協賛の大きな魅力は、自社のターゲット層と親和性の高いコミュニティへ、極めて効率的にアプローチできる点にあります。アーティストのファン層は年齢、性別、ライフスタイルなどが比較的明確なため、無駄のないターゲティングが可能です。

会場では、スクリーンやパンフレット、公式サイトなどさまざまな場所で繰り返し企業名やロゴを目にすることによる「単純接触効果」で、自然と親近感を醸成します。広告を能動的に避ける層に対しても、イベントの一部として情報が届くため、効果的に認知を広げることができるでしょう。「好きなアーティスト」という共通項を持つファン同士の口コミ効果も期待できます。

ポジティブな感情と結びついた強力なブランディング効果

ライブ協賛によるブランディング効果は、非常に強力です。「楽しい」「感動した」というライブの特別な体験は、協賛企業への好意的なイメージとして記憶に転移します。アーティストが持つ「先進的」「誠実」といったブランドイメージを自社に投影させ、企業の信頼性や安心感を高める効果も期待できるでしょう。

こうした手法は、一方的に商品を売り込むのではなく「好きなものを一緒に応援する」という共感から顧客との関係をスタートさせます。この共感こそが、短期的な売上を超えた、長期的なファンを育てるための重要な第一歩となるのです。

企業の信頼性向上につながるCSR・地域貢献活動

音楽やエンターテインメントという文化を支援する活動は、企業の社会的責任(CSR)を果たす取り組みとして高く評価されます。とくに地方で開催されるライブへの協賛は、地域外から多くの人を呼び込み、経済を活性化させるため、意義のある地域貢献活動とみなされるでしょう。

「地域を大切にする企業」というイメージは、顧客や地域住民、自治体からの深い信頼獲得に繋がります。こうした活動は、SDGsの目標(「11. 住み続けられるまちづくりを」など)達成への貢献としてもアピールでき、企業の社会的な価値を大きく向上させます。

採用市場での企業イメージ向上と応募促進

ライブ協賛は採用活動においても大きな武器です。「有名アーティストをサポートする、カルチャーに理解のある面白い会社」という魅力的なイメージは、採用ブランディングにおいて他社との明確な差別化要因になります。

また、企業の理念や文化を、言葉だけでなく「協賛」という具体的な行動で示すことで、求職者の心に深く響きます。特に若年層の求職者に対して、先進的で魅力的な企業文化を持つことを効果的にアピールできるでしょう。

他社との新たなネットワーク構築の機会

イベントへの協賛は、新たなビジネスチャンスの扉を開くきっかけにもなります。同じイベントに協賛している他の企業との交流が生まれ、そこから人脈が大きく広がる可能性があるからです。

普段は接点のない異業種の企業との出会いが、予期せぬコラボレーションや新しいビジネスアイデアに発展するケースも少なくありません。また、イベント主催者や関連企業、さらには地域経済を担う有力企業との関係を構築できることも、ライブ協賛ならではの大きなメリットといえるでしょう。

限定グッズや体験ブースによる唯一無二の顧客体験創出

ライブ協賛のメリットを最大化するのが、来場者の体験に直接関わる施策です。協賛企業のロゴが入った限定グッズは、ファンにとってライブの記念品となり、長く手元に残ることで継続的な宣伝効果を生み出します。

ほかに、体験ブースなどを通じて製品・サービスを知ってもらい、企業の認知からアクションまでの距離を一気に縮める方法も考えられるでしょう。

【成功事例に学ぶ】ライブ協賛によるブランディング戦略

事例1:三菱商事都市開発 × 日比谷音楽祭2025協賛

三菱商事都市開発株式会社は、2025年5月31日・6月1日に日比谷公園で開催される「日比谷音楽祭2025」に初協賛します。「日比谷音楽祭」は音楽プロデューサー亀田誠治氏が実行委員長となり、誰もが参加できる無料の音楽イベントとして2019年より開催されているイベントです。

同社は本社を構える日比谷の魅力あるエリア作り、コミュニティの創出を目的として、エンターテインメント領域におけるイベント事業への積極的な関わりとして協賛を決定しました。不動産開発事業者として、大型アリーナを核とした都市開発事業や横浜赤レンガ倉庫でのイベント事業の実績を活かした戦略的な取り組みです。

【参考】三菱商事都市開発、「日比谷音楽祭2025」へ協賛(アットプレス)

事例2:カワサキモータースジャパン × FREEDOM NAGOYA

株式会社カワサキモータースジャパンは、愛知県名古屋市内で開催される無料野外ロックフェスティバル「FREEDOM NAGOYA 2017」に冠スポンサーとして全面的に協賛・協力しました。メインステージのVIが「Kawasaki」になるほか、出演アーティストとのコラボ企画も計画され、ブースでは多数のニューモデル体感車を展示しました。

同時に大学生中心のエンターテイメントショー「CAMPUS COLLECTION(キャンコレ)」にも出展し、カワサキアパレルのファッションショーやモーターサイクルと掛け合わせたライフスタイル展示を実施しています。新販売網再編プロジェクトの一環として、新しいシェアの確立とブランド認知を目指した戦略的な取り組みとなりました。

【参考1】FREEDOM NAGOYA’2017
【参考2】CAMPUS COLLECTION 2017 SENDAI

ライブ協賛の始め方と費用対効果の考え方

ライブ協賛では、目的の明確化、親和性の高いパートナー選定、そして専門家の活用とのように段階を踏むことが重要です。ここでは、初めてライブ協賛に取り組む企業でも安心して進められるよう、その具体的な手順と成功のポイントを解説します。

協賛の目的を明確にする

ライブ協賛を成功させるための第一歩は「何のために協賛するのか」という目的を明確に言語化することです。例えば、「新商品の認知度を半年で20%向上させる」「採用応募者数を前年比1.5倍にする」といった、具体的な目標を設定します。

設定した協賛目的は、イベントおよび最適な協賛プランの選定指針となります。設定した目的と、その達成度を測るためのKPI(重要業績評価指標)は、必ず社内で共有し、関係者全員の目線を合わせておきましょう。KPIには、SNSでの指名検索数や公式サイトへのアクセス数、NPS(ネット・プロモーター・スコア)調査の結果などが考えられます。

自社と親和性の高いアーティストやイベントを選定する

目的が定まったら、次に重要なのがパートナー選びです。協賛の効果を最大化するには、自社と親和性の高いアーティストやイベントを慎重に選定する必要があります。まずは、自社のターゲット顧客層とアーティストのファン層が重なっているかを確認しましょう。

確認・検証したいのは、アーティストやイベントが持つイメージと、自社が目指すブランドイメージが合致しているかです。協賛を通じて伝えたいメッセージと、アーティストの活動理念や楽曲のテーマに一貫性があれば、相乗効果が期待できます。

協賛支援サービスの活用が成功の鍵

協賛目的とパートナーおよび協賛プランを固めることができても、具体的な協賛情報の取得、主催者との交渉などといった実践のフローが「壁」となって立ちはだかります。こうした対応には、業界特有の知識やネットワークが必要不可欠であり、自社だけで進めるのは容易ではありません。

成功の鍵となるのが、専門の協賛支援サービスの活用です。ライブ協賛支援企業は、各企業の目的や予算に応じ、マッチングから交渉、協賛プランの実行まで高いレベルでの支援が行えます。初めての協賛で不安な企業でも、プランニングから実施までをワンストップでサポートしてくれるため、安心して任せることができるでしょう。

まとめ|差別化と共感を生む認知度向上ならライブ協賛が最適解

音楽の力を借りたライブ協賛は、単なる認知度向上に留まらず、ファンの共感を呼ぶ強力なブランディングや採用強化にも繋がる、多面的な可能性を秘めた施策です。

「何から始めればいいかわからない」「自社に合う協賛先を見つけたい」。そんなときは、ライブ協賛の専門家であるライエルにご相談ください。全国の協賛可能なイベント情報から貴社に最適なプランのご提案まで、ワンストップでサポートします。まずは無料相談から、他社との差別化を実現する新たな一歩を踏み出しましょう。